長距離旅行2009 〜花のKazun・冬空の東方ロマンス 山形・米沢編

だが、それがいい」「虎や狼が日々鍛錬などするかね」「無法に通ず」
Kazunが彼を知ったのは数年前にプレイしたゲーム「戦国BASARA2」であった。
たまたま公式サイトで見かけ、気に入って一番最初に使ってクリアしたキャラクターでもあった。
その後彼の魅力に惹かれ、歴史漫画「花の慶次 -雲のかなたに-」を読破。
彼に対する関心は益々深まり、いつしか彼は尊敬・目標・憧れの歴史人物へと変わっていった。
自由を愛し、男気溢れ、それでかつ謎に包まれた戦国武将・前田慶次
伝説の傾奇者と相見える…長き時、長き距離、長き日々を経てついにそのときが来たのであった。

<長距離旅行シリーズ2009>

「〜花のKazun・冬空の東方ロマンス 今昔英雄録・俺たちがヒーローだ!」

− 傾き御免! 〜旅路のかなたのKazun珍道中日記 −

連日の疲れも何のその!
朝早く起床したKazunは親友よりも朝早く起きてから、そそくさと駅に行く。
列車を一本乗り過ごすと次は一時間後という恐怖を乗り越え、初の東北新幹線に乗車。
二時間くらいで米沢駅に着くと、米沢牛(近づくと鳴く)と直江兼続公がお出迎え!


「東北は本当に寒いけど、そんなことは言っていられない!ミッションスタートだぜ!」
この日の天候は生憎の雨で、うっとおしい小雨が非常に残念。
自転車を借りて走り回るかどうか迷っていると、たまたまバスがやってきた。
ここで悩んでもしょうがない、ここは行動あるのみか!
こうしてバスに乗り込み、上杉謙信が祀られているという上杉神社まで移動した。


参拝し御朱印やお守りなどを貰ったら絵馬を描いて奉納に。
しかしここでKazunは見た!
全然関係もないのにまさかの痛絵馬が存在するとは…。


まぁ上杉謙信だから最初は戦国BASARAの痛絵馬でもあるかと思いましたよ…。
でもよりにもよって東方と初音ミクか〜い!(ちなみに写真では見え難いがミクの痛絵馬は二枚。下のは印刷が消えかかっていた)
君たちみたいに場違いというか、どうしようもない人たちは毘沙門天に怒られてきなさい!(晒しちゃうぞ)


この日のお昼は米沢牛の串焼きでした。

これで1000円とは高いが…メチャクチャ美味かったのだ!
う〜んやっぱり美味いね!米沢牛!まぁ普段貧乏生活ばっかりで、高い肉とか全然食べないのもあったかもしれませんが(笑)
こうして量は少なかったけど味では満足した昼食を済ませ、次の目的地へ移動する。
しかし調べてみると次のバスは数時間後…。
仕方ない、ここは歩くとするか…歩いているとタクシーも捕まるだろうし。
次の目的地の米沢市立図書館までは数キロあったのだ…歩いていくのは非常に過酷だ。
何とかバスやタクシーが来ること祈りながら出発。
道中こういった珍スポットを発見しつつ、Kazunは歩いてゆく。


いったい何なんだ、このアイディア神社って?(ちなみにこの近くに「映画スウィングガールズのロケ地です」と書いてある看板もあった)
この道わが旅…果てしなく続く。
こうしてかなりの時間をかけて米沢市立図書館へ到着。
ちなみにタクシーは全然走っていなかったので徒歩で行ってしまった…やれやれ。
ここでは前田慶次執筆の「前田慶次道中日記」、この複製本が販売されているらしい。
早速購入しようかと図書館内を探し回るも売っている気配が無い…。
気になって職員さんに聞いてみると、書店委託らしくここでの販売は無いらしい…。
全く持って無駄過ぎる時間と体力を使ってしまったことに気づくKazun…やれやれ。


しかしガッカリしている暇は無く、図書館で教えてもらった書店を目指してすぐさま移動を開始する。
やっぱりタクシーもバスも来ないので歩き、まぁ仕方ない。
道中、慶次の甲冑が展示してあるという宮坂考古館に立ち寄った。
小さなところだったが慶次の甲冑のほかにも直江兼続の甲冑(愛の兜ではないタイプ)や実物の鉄砲などが展示されているのがすごい!
その中でも…やっぱり慶次の甲冑を前に圧倒されるKazun!
何百年前の戦いで慶次はこれを装着して戦っていたのだろうか?
それにしても何百年経っても赤い色が色あせないんだな、管理に手が届いているというか素材がいいというのか…。
慶次の甲冑に一礼したら、元気が出たような気がした。
そして次の目的地へと、再び歩く。


携帯電話の地図サイトなどをフル活用してようやく「前田慶次道中日記」が委託されているという米沢書店にたどり着いた!
早速それを購入し、店主と談笑。
K「今日ははるばる広島からやってきまして〜」
店「お〜それはそれは!善光寺(慶次の供養塔があるお寺)には行かれましたか?」
K「いや〜今からなんですが、歩きですからね…どうにも困りまして〜」
今まで歩いてきた経緯を軽く説明すると、驚く店主(だが数年前にも佐賀から来て、猛吹雪の中歩いて回ったという勇者も居たらしい)
これからも歩きということを伝えると、こんなことを言ってくれる店主。
店「私も出来ることなら連れて行ってあげたいけどねぇ…、今一人だから…」(←店主すごいいい人じゃないのか?)
客「私が途中まで連れて行ってあげようか?」
そんな時、近くに居たお客さん(おばさん)が米沢駅を通りかかるので連れて行ってくれるという(←この人もいい人)
もちろん知った人ではないが、旅は道連れ世は情け…ここは御好意に甘えることにした。
うちの職場も見習って欲しいくらいの人情物語…いい人ばかりだ、米沢は!


「さようなら…お元気で!貴方の助けを俺は忘れません!」
こうして知らない人の助けにより、米沢駅に戻ってからはタクシーにて一気に善光寺に。
ついに来たぜ!前田慶次供養塔!

普段は絵馬や線香などが販売されてるらしいが、この日に限って販売所が閉まっていたのが非常に残念…(絵馬や線香上げたかったのに…)
近くにあった絵馬掛には「だが、それがいい」とか「無法天に通ず」とか、花の慶次で出てきた名言ばかりで知らない人から見ると痛絵馬になりかねない感じでした。
でも…ここで俺はそんな野暮なことは言わないぜ!
まさに傾いたこの絵馬…だが、それがいい!(でもパチスロの事は書くな…これだけは自重してくれ!)
一方、慶次の供養塔の前では深く黙祷。
長きに渡って夢見た場所、尊敬し目標の人物が今ここにある!
感動して逸る気持ちを抑えつつ、自分自身の未来や目標など熱い想いを心の中で語った。
似てるようで似てないような、自由を愛する傾奇者二人…。
こうして何処か優しくも力強い、懐かしい匂いのする時間が過ぎていく…。
気が付けば帰る時間も近づいていた…名残惜しいが、そろそろここいらか…。
「じゃあな慶次!俺は行く…さらばだ!」
そう言って一礼し、大きく手を振りながら供養塔から離れてゆく。
そんな時、何処からとも無くポツンと少し大きな音がしたのだった。
「慶次…?いや、まさかね…ただ雫が落ちただけさ…」


こうして伝説の傾奇者と自称・現代の傾奇者の対面は終わりをとげた。
戦国の世で自由を愛し生き抜いた前田慶次…俺も貴方のように自由に、そして強く生きたい!
今の職場に傾いた計画・革命…成功させて一泡吹かせてやろうじゃないの!
そして今回も多くの人に助けられ目標を達成出来た。
前田慶次も旅を愛し様々な場所を旅し、道中記の記録では京都から米沢まで行ったと記されている。
彼も強かったとはいえ一人の人間…色々な人と出会い、助け合ったりして生きていたのではないか。
この道わが旅、果てしなく続く…出会いと別れを繰り返しながら…。
今回走り抜けた米沢の町は素晴らしいところだった!人々も親切だった!
さようなら前田慶次!さようなら米沢の人々!
俺はこの日の旅を…忘れない!


最後の余談ですが、帰りはやっぱりバスもタクシーも無く歩きでした!
どこまでこうなんですね…東北・山形・米沢っていうのは。
この日歩いた距離を計測してみたら、15キロくらい歩いていたことが判明!
さらに数日前に足の裏に怪我をしていたんですけど、出血しながら移動していたことも分かりました…。
そう言えば足の裏がやけに痛かったな…。
全く、自分自身が道中記になってるぜ!